研究会活動

テーマ;SMBCフレンド証券仕組債判決和解,過当取引判決

開催年月日 平成26年6月12日  報告担当:木野祐子弁護士(兵庫),岡 文夫弁護士(大阪)

報告内容

テーマ①SMBCフレンド証券仕組債判決及び和解 

  • 当事者:取引当時70歳女性(主婦) 75歳の夫と娘の3人で同居。年金収入のみ。20年近く株式取引経験有り。
  • 商 品:ユーロ米ドル建期限前償還条項付日経平均株価連動デジタルクーポン債(公募債) ノックイン価格(当初価格の56%)※103%で早期償還。
  • 概 要:原告はH19.5.16に証券会社外務員の勧誘を受け本件仕組債を購入⇒H20.10.7にノックインとなり損失発生。 請求原因:錯誤無効、不法行為(説明義務違反、適合性原則違反)

【裁判所の認定】 勧誘の経緯につきほぼ原告の主張どおり認定したうえ説明義務違反を認めた(本件仕組債について目論見書・リーフレットを交付するもリスクについては説明せず)。他方、錯誤や適合性原則違反は認めなかった。70歳以上の高齢者に必要とされる「特認申請手続」が行われていなかったが、この点はあくまでも被告会社内部手続の違反にすぎず、また,実質的な原告の属性からみても適合性原則に違反するとはいえないとされた。過失相殺(5割)
⇒被告証券会社側から控訴があり控訴審にて和解成立。

【原審の経緯等】 被告側は資料開示に概ね応じた(顧客カード、元帳、確認書、電話録音、アプローチ履歴、勧誘規則等を獲得入手)。
※但し電話録音については勧誘時のものは開示されず(不存在とのことだが疑問あり)。 開示された資料(アプローチ履歴等)を利用し,被告の主張内容や外務員の証言内容との間に齟齬を指摘。被告側の虚偽説明について裁判所の心証を獲得できた。

テーマ②SMBCフレンド証券過当取引判決

  • 当事者:取引開始当時73歳女性(主婦・但し勤務経験有⇒退職)。取引経験なし。原告の夫が原告名義で口座を開設し取引を実施したが,原告はその内容は知らなかった。
  • 商 品:過当取引(南アフリカランド債、外国株式等を短期間に大量取引)
  • 概 要:原告が、夫の死亡後、株式を引き継いだところ、証券会社外務員から勧誘を受け大量の取引に至る。外貨建債券(南アフリカランド債)を皮切りに外貨建債券、外国株式、投資信託等の多数の取引を行う。1年間に取引回数240回(売買回転率34.73)、期間中の新規取引合計額4憶6782万円にのぼる。
  • 請求原因:不法行為(適合性原則違反、過当取引、説明義務違反、一任売買)。
    ※賠償額は、取引期間中に行われた各取引の損益の累計を主張。

【裁判所の認定】
取引開始(夫死亡後)に投資対象がそれまでと大幅に変更されたこと(国内株⇒外国株式等為替リスク判断を要するもの)、原告の取引意向、事実上の一任売買であった事情等から適合性原則違反を認定。過失相殺:5割。
  ※損害額については、取引(不法行為)開始時の保有株評価額の合計に取引終了までの口座入金額を加え、同期間内の出金額を控除した額の合計とされた。
 ⇒控訴審にて和解交渉中
【原審の経緯等】
証拠保全により取引時の電話録音記録の任意提出を受ける(外貨取引元帳については訴訟提起後に開示された)。
適合性原則違反を認めた点は意義があるものの、過失相殺については疑問(とくに取引経験等の書類作成について外観作出の責任を論拠とするが、証券会社担当者はその点について悪意であったはずであり,この点が考慮されていない。)。
【当日の議論等】
被告証券会社等から開示された取引記録(電話録音・アプローチ履歴)について、各証券会社における開示の方法について情報交換が行われ、また、開示後の処理や訴訟時における効果的な利用の仕方などについて、種々の意見交換が行われた。